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おかわり010杯目 とんかつ司

『ジャンボロースカツ定食(キャベツジャンボ)』

(埼玉県所沢市緑町)

埼玉県は新所沢駅すぐそばに、やけに巨大なとんかつを食べさせてくれるお店があると聞いた。新所沢といえば、大学時代頻繁にうろうろしていた場所だったが、そんなお店があるということは全く知らなかった。ネット時代様々だ。地元民であっても知らない「盲点」が、今ではネットで赤裸々だ。まさか、所沢から転居して10年近くたって初めて知ることになるとは。

ちなみに新所沢は、私が大学時代バイト仲間と夜通しお酒を飲む場所だった。その当時、バイト先近辺で朝までやっている居酒屋がなかったため、自転車を転がしてわざわざ新所沢まで片道15分近くかけて移動したもんだ。で、居酒屋でその日の稼ぎ以上の飲み食いをしていたんだから馬鹿馬鹿しい話だ。お酒を飲むためにバイトしてたようなものだ。

それくらい、新所沢にはお金を投下してきたわけだが、今回は久々のジャンボロースカツでお金を落としてこようというわけだ。

巨大とんかつといえば、練馬「とん陣」の「じゃんぼろーすかつちゃれんじ」が有名だ。これは、750gのカツをはじめとし、キャベツ、ご飯、みそ汁の総重量2.5kgを25分以内で完全に食べきればお代はタダ、というチャレンジメニューだ。1分で100gずつ食べないといけない計算になる。多いんだか少ないんだか、さっぱりわからない。この歳にして、限界ギリギリのチャレンジメニューに猪突猛進する気はあまりないのだが、「はて、750gのカツっていうのはどれくらいの圧迫感なのだろう?」とその情報をキャッチした際に想像ができなかった。恐らく、カツよりも山盛りのキャベツの方が胃袋に与えるインパクトが 大きいのだろうが、それにしても2.5kgの料理って一体どんなものだろう。自分でも食べられるのか、それともどだい無理な量なのか、純粋に興味があった。しかし、要予約のチャレンジメニューに挑戦して、惨敗して5,000円のお代を払うというのはなんとも惨めだ。だから、未だに「とん陣」には足を踏み入れていない。

その代わりといっては何だが、今回発見した新所沢の「とんかつ司」は650gのロースカツがでてくる。webで見つけた写真をみると、キャベツの量だってものすごい。チャレンジメニューではないのでお代は完食の有無にかかわらず発生してしまうが、逆にお金を払うからこそ、「万が一食べきれなくても、まあいいや」という心のゆとりを与えてくれる。そんなわけで、仮想「とん陣」ということで「とんかつ司」を訪れてみることにした。

いや、「仮想」といっても、もし「とんかつ司」で食べ切れたからといって、「とん陣」を虎視眈々と狙うつもりはないのだが。


とんかつ司外観。線路沿いにあるとんかつ司は、まさに新所沢駅の近くにあった。学生時代飲み呆けていたお店から徒歩ですぐそこ。なんだ、ご近所じゃないか。

学生時代の後悔してもしきれない失敗談を思い出し、やや酸っぱい思いになりつつ(甘酸っぱい、ではないぞ)、お店の前に立った。いや、その「失敗談」は一切ここでは公開する気はないぞ、期待してはいかん。

とんかつ司。一階は駐車場になっていて、お店は階段をのぼった二階にあった。個人宅を改造したような作りで、大きな看板とのぼりが出ていないと飲食店だと気づかない作りだ。


ジャンボロースカツというメニュー表示が誇らしげだ入り口には、メニュー一覧が貼りだしてあった。見ず知らずのお店に入るにはちょっとだけ勇気がいるものだが、ここで「これからお目にかかろうとしている美貌の盛り」を事前学習できるのは有り難い。

いろいろメニューがある中で、もっとも誇らしげに写真入りで紹介されていたのが「ジャンボロースカツ」だった。単品2,100円、定食2,310円。webで調べていた金額よりもやや高くなっている。値上げしたらしい。

「食べたらお代はタダ」というメニューではないので、ちょっとだけ精神的ダメージを受けた。

いや、精神的、ではなくて金銭的か。

さすがに、とんかつを頂くのに2,310円を払うのは若干気が引ける。しかし、写真で見る限り、期待通りの美貌っぷりなのでまあとんかつに免じてここは散財しましょうかね。男性ダンサーのパンツに1ドル札をチップとして挟んであげるのと一緒の気分だ。

喩えがわかりにくいか。「ええもんみさせて貰いました」というなら、その分お代をはずむのは当然、という事を言いたかったワケだが、ちと不謹慎な表現だったかもしれん。

思い出されるのは、以前「土下座バイキング」の企画で1kgのハンバーグを食べた事。あのときは、その直前にせいろそば9枚を食べてからハンバーグに突撃したため、危うく「あと一口」のところで轟沈しかかった。でも、1kgを食べられたわけだから、今回の650gカツなんて大したことはないとも言える。しかし、油で揚げてある料理って、どれくらい腹にこたえるのだろうか。やはり想像ができない。

このお店、「ジャンボロースカツ」は単品で2,100円だが、「ジャンボ」がつかない通常のロースカツは1,300円だった。なかなかな値段差だ。これは、本当にジャンボなのだろう。「やってやるぞ」というお店側の気合いが伺える。

気合いが入ったこの料理だが、メニューの下に「お二人でも召し上がれます」と書いてあるのが非常に良心的だ。大食らいの奴らに挑戦状叩きつけてやったわ、という感じではなく、あくまでも「でかいカツも作ってみたけど、どう?」という感じだ。はっきりいって、一つの料理を二人で分け合って食べられたらお店としては商売あがったりだ。盛りが良いお店で、時々「お一人様一品のご注文をお願いします」という張り紙を見かけるが、まさにシェアされてしまうことを防ぐ目的だろう。折角、「どうだ!」と心意気で盛ってみたのに、よく見ればカップルや親子で分け合ってたんじゃ店としてはガッツの行き場が無い。「一杯のかけそば」は美談だったが、ビジネスとして考えれば正直勘弁頂きたいところだ。そんな事情をぐっと飲み込み、「お二人でも」というこのお店は心優しいと思った。

しかし、一緒に分け合うような戦友(とも)がいるわけでもなく、今回は私一人でその美貌の盛りを堪能しようというわけだ。美しいものは独り占めするに限る。目の前の美貌を「シェアする」と考えた瞬間、その高らかなる頂きは群雄割拠され、「僕が食べるのはこの辺り」「私はこれだけ食べればノルマ達成」という打算が働く。やはり、一対一で美貌の盛りと対峙してこそ、意味があると思いたい。

そんないろいろな事を思いつつ注文を済ませたわけだが、お店の人から「キャベツの量は?」と聞かれてやや動揺してしまった。そういえば、このお店はキャベツの盛りを選択できるのであった。ここで「普通で。」と答えた場合、何をもって「普通」と定義されるのかよく分からないので試してみたかったが、あくまでも美貌の盛りの体験が主目的だ。かつ仏の慈悲をも感じさせる微笑みをもって、「キャベツもジャンボで。」と答えてみた。店員さん、「ジャンボですねっ!?」と大きく頷いて厨房に引き下がっていった。

ここで、「お客さん初めての方ですか?ジャンボは量が多いのでやめておいた方が」などとたしなめられたら非常にがっかりなのだが、にこやかにオーダーが通ったのでちょっとこちらも気分が良い。さあ、まだ見ぬ強豪のとんかつが楽しみだ。心してまとう。

・・・

・・・

待たされすぎ。20分経っても料理がでてこない。恐るべきはジャンボロースカツよ。あまりにデカいため、普通のとんかつのようにさっと揚がらないらしい。ご主人が「もうすぐでできあがりますからね、もう少しお待ちください」と厨房から声をかけてきた。通常サイズのとんかつを2枚、3枚と揚げればスピードは速いのだろうが、お店としては「分厚くて、巨大なカツを揚げてこそナンボ」という考えがあるのだろう。ご主人、ひたすら厨房の中で揚げ油とにらめっこをしていた。もちろん、食べる側とて「分厚くて、巨大なカツを食べてこそナンボ」と思っているのでまさに相思相愛状態だ。

お互いのラブラブ光線が交錯する中、25分!近く経過してとんかつが仕上がってきた。


その名に恥じぬジャンボロースカツ、見参。ごとり。

!!!

と、とんかつ?これが、か。

なんと形容してよいのやら・・・。

なるほど、出てきたソレは、確かにジャンボロースカツだった。しかし、もうここまでくると貧相な想像力しか持ち合わせていない私にとって、「とんかつ」には見えなくなりつつあった。まず、とんかつというのは、大抵お皿の上に仰向けになって倒れているものだ。・・・うつぶせかもしれないが。ま、どっちでもいいや。で、その脇にキャベツの千切りが小高く積まれている。これが定番。しかし、このとんかつ、なんだかほぼ垂直にカツが立ち上がっているんですけど。何をやってるのかね、君たちは。器械体操の練習かね。

それもこれも、極限にまで積み上げられたキャベツのせいだ。お皿の床面積(表現が変)のうち、4/5をキャベツが占領している。主役の筈のカツは、逃げ場を失ってしまい、垂直方向に立ち上がるしかなかったという状況。この料理の場合、カツの大きさに目を奪われがちだが、実は裏方の筈のキャベツが素晴らしい活躍を魅せている。圧倒的な壁だ。谷川岳一ノ倉沢、穂高連峰滝谷を登るクライマーたちも憧れて止まないビッグウォールだ。きっと。


なんだかもう縮尺が判らなくなって参りました、はい。近景の次は遠景で盛りを愛でる。カツが、キャンプファイヤー用に組まれた薪のように見える。
「ほーぅ」といいながら右から左から眺めていたら、ご飯とおみそ汁が卓上に届けられた。これらと合わせて記念撮影。

写真を見ると、非常にお茶碗が小さく見える。いや、決してこれはお茶碗が小さいのではなく、普通のサイズであるということを力強く報告したい。単に、カツが猛烈に隆起しているだけなのだ。海底噴火した火山が水上に島を作ったがごとく、急角度に、かつ巨大に盛り上がっている。

面白いのは、このお店の場合何故か取り皿が1枚配膳されたといういことだ。「ソースをここに入れてお使いください」という。普通、とんかつといえばソースを上からかけて食べるものだが、このお店の場合は「お刺身を醤油で食べる方式」が採用されていた。これは、カツのサクサク感を最後まで満喫して欲しいというお店の希望もあるんだろうが、実際のところこれだけの猛烈な急斜面を形作っているカツのことだ、ソースを上からたらすと滝のようにソースが下にしたたり、机にこぼれる。だから避けたというのが正解だろう。


カツもすごいがキャベツはもっとすごい名脇役、キャベツの千切りにもスポットをあてるべく、横から撮影してみた。

素晴らしい盛りだ。キャベツの千切りは大好きな料理の一つで、青虫のようにわさわさと食べるのが好きだ。これだけ食べさせてくれれば、しばらくは幸福感が持続しそうな気がする。しかし、一般的にとんかつに盛る量からすると、明らかにこれは5倍以上のボリュームがあるな。上の方は山がとんがっているが、下の方の裾野の広いことといったら。

こうやって横から見ると、まさにとんかつが張り付いている事がよく分かる。「ジャンボロースカツだ!どうだ!」と偉そうにしているように見えるが、実はジャンボキャベツと共生している、お互い憎からず思っている関係というわけだ。ジャンボロースカツがないと、キャベツだってこんなには盛るわけにはいかないし、かといってジャンボキャベツがあってこそ映えるのがロースカツだ。

そのロースカツだが、厚さが2cmくらいあるのだから大変だ。かじりつく、という表現がふさわしい。箱で売られている棒アイスを、上からかぶりつくのと同じ感覚。でかいでかい。しかし、かぶりついてもじわーっと肉汁が出てきて、柔らかい肉は心地よい。これで硬かったら拷問以外の何者でもないが、美味しいんだからたまらない。そうか、高級ステーキ屋は、肉汁を逃がさないようにするために、数百グラム以上でないとお客からのオーダーは受け付けないと聞いたことがある が、それと同じで、とんかつもサイズが大きいとそれに見合った美味さが出てくるという事なのかも知れない。ただし、豚肉はレアで提供するというわけにはいかないので、中までどうやって火を通すかで技術が必要だと思うが。

食べ進むうちに、案の定キャベツが胃のスペースを占領し始めた。考えてみれば、胃の中にこのキャベツがすっぽり収まるのだから凄いことだ。これが本当のキャベジン(キャベ人)だ、と思った。ただ、箸が止まるような緊急事態は全くなく、最後まで安定したペースで食べ終わることができた。いや、それにしても凄い食べ方だった。がりがり、わしわし、ごっくん、だからな。「がりがり」はとんかつのカツをかじる音、「わしわし」はキャベツを頬張る音、そして「ごっくん」はご飯とおみそ汁を飲み込む音。いろいろな食感を一度に楽しませて貰いました。

お会計の段、お店の人が「キャベツをジャンボにして食べきった方は久しぶりですねー」と仰っていた。さすがに、この美貌なる盛りは誰にでも対峙出来る物ではなかったようだ。

ボリューム勝負のお店は、えてして味は二の次となるものだ。しかし、このお店は味は全く落とさず、ただ単にサイズだけをでかくした状態で「ジャンボロースカツ」を提供してくれた。値段はやや張るが、こういうお店があるというのは非常に嬉しい限りだ。

新所沢の美貌の盛り、これからも頑張って盛り続けてもらいたい。

それにしても、学生時代にこのお店を発見していなくて良かったなあ・・・。学生にしちゃ高すぎるお値段だけど、当時の私だったら絶対に何度も通って、しこたま食べていたに違いない。

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