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scene#040 [2006.09.02-09.03]

これは天災ではない、人災だ【西穂高岳】

(その8)

07:28

独標から先のルートは、二本の足だけでなく四本足を有効活用していかなくてはいけない。

ちょっと待て、四本足じゃないぞ、二本の足と二本の手だ。僕ぁ犬畜生か。

先ほどまでは稜線歩きのうきうき歩きだったが、道が険しいので稜線に沿って歩くのがもう無理。ルートは、主に飛騨側に巻く形で前へ進め進め。

西穂高岳山頂が見えてきた。

山頂には先着の人がいるのですぐに分かる。


07:35

一部鎖があったり、一枚板の手がかりが無い岩があったりはするが、フィールドアスレチック感覚でとても楽しい山歩きだ。

ただ、確かに初心者は無理だろう。ロープウェイでお気楽に稜線に出ることができるし、山小屋で一泊したら時間の余裕がたっぷりできる。丸山、独標では物足りなくって、ついつい西穂高岳まで行きたくなることは想像できるが、そりゃやめときなはれ。ぐらぐらしている岩が多いし、落石起こして後続の人を怪我させるか、自分が足を滑らせて落っこちるのがオチだ。

とまあ、そんなことを考えつつ、見えてきました西穂高岳山頂。それにしても感心してしまう、こういう岩が積み重なって山が出来ているわけだけど、すんごい台風が直撃したら標高が1mくらい低くなってしまうんじゃないのか?


07:37

西穂高岳山頂。標高2,909m。登山開始から約2時間。


07:39

西穂高岳山頂から、奥穂高岳方面を見る。

ここからは奥穂高岳山頂を見ることはできない。手前にある、ジャンダルムが邪魔をしているからだ。


07:39

ジャンダルムへの稜線。

この山頂が標高2,900mオーバーであるとは思えない。ジャンダルムの標高が3,163mなので、約250m程度の差しかないにもかかわらず、この圧倒感。

大小様々な岩が進路を塞いでおり、朝日を浴びてギラギラしている。見るからに、これまでのルートと比べて難易度の高さを感じさせる。

いいなあ、このまま登山者の憧れ・ジャンダルムまで突っ切ってみたいなあ、とムラムラしたが、ここから先は安直に行くべき所ではない。死にたくなければ、やめておくべきだ。非常に落石が多い場所で、自分がいかにしっかりとしていても、先に進む人が落っことした石が脳天直撃で昇天、ということもあり得る。ヘルメットは是非携行したいアイテムだ。

・・・と思ったら、いかにも軽装備なおばちゃん達が、ぞろぞろとジャンダルム方面に突撃していった。「大丈夫かしらん」と、山頂で休んでいる人たちが声を上げる。猪突猛進な人はいるもんだ。まあ、無事に通過できれば結果オーライ、という発想なんだろうが・・・。


07:40

ジャンダルムから視線を左にずらすと、南岳、大喰岳、そして槍ヶ岳が見える。槍ヶ岳はその特異なとんがり屋根で、発見するのが大変に容易だ。


07:58

槍ヶ岳からさらに視線を左にずらすと、西鎌尾根。


07:58

西鎌尾根の奥には、三俣蓮華岳、水晶岳、鷲羽岳といった裏銀座縦走路上に展開される名山が見える。


07:58

もう少し視線を左にずらすと、黒部五郎だけも。

おかしいなあ、今年はあの辺りを攻めている筈だったんだけど、何で遠方から眺めるに留まっているんだろ、僕。


07:58

うーわーあー

東側に視線を向けると、雲が大量発生しとる。松本、安曇野方面は本日は曇り。


07:59

おっといかん、乗鞍岳には早速ガスがかかりはじめている。今日の午後はこの辺りの山はガス三昧のガス日よりになるんだろうな。


07:59

狭い西穂高岳山頂は人でいっぱい。

おっと、オッチャンオバチャン混成軍が登頂成功したかと思ったら、早速オッチャンがザックから瓶を取り出したぞ。・・・焼酎の4合瓶!?

「あんまり飲んだら酔っぱらっちゃうからな」と言いつつ、瓶のキャップにお酒を注いで、くいっとあおっていた。さすがの酒飲みのおかでんでも、この険しい岩山でお酒を飲む心境は理解できなかった。すげぇ。なにもんだ、この人。仙人か?


08:00

上高地はガスが晴れて、その姿を見ることができるようになった。帝国ホテルなんぞで優雅に一泊した人は、今頃朝食を楽しんでいる頃だろう。


08:01

険しいのぅ・・・。ここから足を滑らせたら、おろし金で大根おろしを作るようなもんだ。数百メートル滑落している間に、見事なまでに人間おろしが出来上がっているに違いない。慎重に下ろう。


08:04

しばらく山頂で楽しんだので、下山開始。

ピラミッドピークがやけに低く、こじんまりとして見える。


08:27

随分おりてきた。ピラミッドピークと、その下に独標が見える。

こちらから見ると、子供が砂場で作った山、程度のかわいらしさだ。


08:45

ぐいぐい下る。いや、特にコメント無しです。

この時間になると、ゆっくりと西穂山荘を出陣した人とのすれ違いが多い。鎖場では、交互通行になるので思ったよりも時間がかかる。


09:02

独標直前。

独標からピラミッドピークに向けての最初の下りは、これからの行程を進むだけの技術があるかを測る試金石。この岩場にビビっているようであれば、独標より奥へは行かない方が良いという。


09:06

独標頂上から、岳沢を眺めていたら岳沢ヒュッテ(跡)を発見した。

あれか!雪崩によって完全崩壊し、主人の命をも奪った現場というのは。

確かに、近くに枯れ沢があるし、雪崩の通り道になりそうな場所だ。標高3,000mからどどどと雪が落っこちてきたらひとたまりもないだろう。


09:27

ありゃりゃ。本日これから向かおうと思っていた焼岳がガスに包まれ始めた。困ったなあ・・・。ガスの中登山しても面白くないしなあ・・・。

(つづく)

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