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第014頁 野菜たっぷり、油もたっぷり

 

30を越した頃から、天婦羅やフライの油がきつくなり始めた。食べられない事はないものの量を食べられなかったり、冷えて油がまわってしまうとご飯があっても口が拒絶してしまう。想像するだけでも気分が悪くなる。

ところが不思議な事に炒め物の油は気にならない。炒める際に色々なものが油に溶け込んで、胃と相性が良くなってでもいるのだろうか。炒め物の皿の底に溜まった油の中に、ご飯を入れ混ぜて食べるのは食事の終わりの楽しみの1つだし、中国は蘇州の太湖のほとりの店で食べた底に5mmくらい油の溜まった炒飯は、具が焼き豚とミックスベジタブルという安っぽいものだったにも関わらず、これまで食べた中で一番美味しい炒飯であった。不思議なものである。

ところで野菜炒めのコツは、事前に水に漬けて野菜に水分をしっかりと含ませておく事と(ただし水切りもしっかりしていないと油がはねてしまう)、油をケチらない事、そして高温で一気に手早く炒める事だそうだ。

邱永漢のwebサイトでは、一番簡単なものとしてキャベツの炒め物が紹介されている。切ったキャベツを水に1時間くらい漬けてから水切りをしておき、しっかりと温度を上げた中華鍋に油をたっぷりと入れ、油から薄っすらと煙が出始めたところで塩と味の素、それに必要ならにんにくの薄切りを少し入れて軽く炒め、そこへキャベツを投入して一気に炒める。元々生でも食べられるものだから、少し焦げ目がつくくらいが丁度良い。ただし途中で塩加減を計っていたら火が通り過ぎてしまうから、何度か作って材料に対する最適な塩の大体の量を覚えなければならない(少なめにしながら後で塩を足すようにすれば失敗も少ないが)。

もやしだと、根と頭の部分を事前に取っておくと食べやすくて臭みも出ず、また一度弱火で炒めて水を出してザルで水を切っておき、それを再度強火で炒めるようにするとシャキっと炒めることができる。

味の素を使うことに対しては否定的な意見が多いが、貧乏人が美味しいものを食べるには必須であることは確かである。といって入れすぎると味のバランスが崩れるので、分量には注意しなければならない。

台湾や中国の料理屋では、空芯菜や豆の芽(スーパーで売られている豆芽とは違う、えんどう豆だか何かの若芽)の炒め物が良く出ているし、これがまた美味しい。日本では手に入りづらいので、ほうれん草や小松菜といった青菜で代用してもいい。和風のおひたしよりか格段に美味しくなる。ただよく洗って砂を落としておかないと、残った油に砂が混じって残り汁をすすれなくなってしまう。

とにかく、野菜炒めはコストパフォーマンスとしては世界最強ではないかと思う。値段、調理時間、そして美味しさ。何か足りないときに直ぐ出来るし、逆にこれだけでもご飯が食べれてしまう。一旦炒め物を上げた中華鍋にご飯を入れて軽く炒めれば、棄てる油の量を減らすこともできる。滴る油というと健康に悪そうなイメージがあるが、しかし1皿分でせいぜい大さじ2杯くらいで、洋菓子を食べるのと油分はそれ程変らないのだから構やしない。要は量を食べ過ぎなければいいのだ。後は1日動く分だけを喰らう。収支のバランスをしっかりとね。

(2007.07.29 ばばろあ)

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