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松風庵(広島県広島市西区横川)

2007年01月28日【店舗数:221】【そば食:394】

十割そば

JR山陽本線横川駅そばのガード下に、手打ち蕎麦屋があるという話を聞いたので行ってみた。あんなところにあったっけ、と首を捻る。どちらかといえば雑然とした場所で、清廉なイメージのある蕎麦屋とはちょっと相容れない雰囲気だ。


教えられた場所はこの辺り、とカレー屋を通り過ぎきょろきょろしていたら、発見。「手打ちそば 松風庵」。あるもんだねえ、蕎麦屋ってどこにでも。精肉店と、美容室に挟まれてお店が営業していた。「手打ちそば」というのぼりが出ていないと、気づかずに素通りするところだった。

さしづめ、「生ビールを頼んだらジョッキじゃなくてタンブラーで出てきて、そのくせ値段が高くてがっかり」みたいな、小洒落ていて値段が高めの居酒屋、といった外観。


店内に入ってみると、いやいや居酒屋じゃなくてなんだか寿司屋みたい、と思った。白い椅子が、なんだか寿司屋を想起させられた。シンプルな内装だ。カウンター席と、テーブル席がいくつか。全部で20席程度だろうか。

時折、ガタンガタンと頭上で電車が通り過ぎていく音がし、振動が伝わってくる。なかなかに味わい深いシチュエーションだ。


お昼過ぎに訪れたのだが、店内はママさんコーラス帰りの奥様方が井戸端会議中。「歌詞が読めないのよねぇ、老眼で」「私なんて、歌詞の部分だけ大きく書き直して、楽譜に張ってるもの」「あら、それいいわね」「A4の楽譜って読みにくいから嫌い。A3の方が大きくていいわぁ」なんて会話に花を咲かせていた。

そんな声を聞きつつも、お品書きを物色するわたくし。「昼のおしながき」というラミネート加工されたメニューには、そば定食、小じゃこめし定食、小親子丼定食、小天丼定食の4種類が書かれていた。あれ?これだけ?ひょっとして定食しかやっていないんですか?

不安になってきた。


と、思って裏返してみたら、ちゃんと普通のお蕎麦も扱っていてほっとした。しかし、お酒と酒肴のメニューは存在せず。お昼時にはやっていないらしい。カウンター上には一升瓶が並べられているので、恐らく夜になればお酒とアテを提供するのだろう。昼もやればいいのに、と思うが、そんな不埒なことを考える飲兵衛はあまりこのお店周辺にはいないのかもしれん。

せいろ単品は700円。「そば定食」は同じ値段でさらにおむすびが付くので、お昼であれば定食にした方がお得。

僕は、「十割そば(900円)」を注文してみることにした。


奥様方のトークと、電車の振動で時間を潰しながら待っているうちに、蕎麦が届けられた。

蕎麦は箱盛り。


蕎麦は十割というだけあって風味が豊かで美味しかった。つゆは濃厚。広島界隈でざるうどんを食べる時に使うつゆを思い出させる、黒くて甘くて辛いつゆ。

食後出てきたそば湯は、ポタージュ状のものでちょっと驚いた。これ、好きなんだよなあ。そば湯を全部残さず頂き、ほっと一息。

シンプルな内装だし、お酒が無いし、ゴトゴト屋根から電車の振動が伝わってくるし、お昼時のこのお店は決してくつろぎの空間とは言えない。蕎麦屋の色気、としてはもう一歩。しかし、駅近くでこのような蕎麦が食べられるというのは非常に貴重だし、夜になるとお酒が出るようだし、使い勝手の良いお店だと思う。夜にまた訪問してみたいものだ。

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