ホーム蕎麦喰い人種行動観察 > 八雲庵(1)

八雲庵(島根県松江市塩見縄手)

2009年11月06日【店舗数:244】【そば食:432】

鴨南蛮そば、プレミアムモルツ

<その1>

早朝の松江に到着信州・松本そば祭り、日光そばまつりとここ最近は蕎麦を食べまくった。そのせいでいい加減蕎麦にはうんざり、かと思ったら、案外そうはならないものだ。うんざりなのは事実なのだが、「東京流の蕎麦にうんざり」というのが正解。なんだか急に、ワサワサした、野蛮で無骨な蕎麦をぐいぐい噛みしめたい気持ちになってきたのだった。

あれだけ蕎麦ブースが並んでいたのに、どこも金太郎アメ状態。おろし蕎麦やダッタン蕎麦、韓国そば(冷麺)といったものもあったが、その他大半が同じような雰囲気の蕎麦だった事は紛れもない事実だ。

これでも喰らえ的蕎麦を食べようと思ったら、山形蕎麦街道にでも行くか、それとも出雲か。山形はうどんみたいに太くて濃厚な味わいの蕎麦が楽しい。板そばという食べ方も、がっつりしていて思わず雄叫びを上げたくなるワイルドさだ。一方出雲はというと、挽きぐるみでどす黒い、ぼそぼそした蕎麦がなんとも男らしい。落語家が演じるようなつるつるッと「手繰る」とは別次元の蕎麦だ。そういうのを食べようじゃないか。ざまあみろ。いや、何に対してざまあみろなんだかわからんけど。

山形はどうにも都合が悪かったので、仕事の都合をつけて出雲蕎麦を食べてくることにした。
ところで、出雲蕎麦があれこれ食べられるところって、どこ?出雲市だろうか。実は、全然知らない。調べてみたら、安木、松江、出雲大社周辺あたりに比較的店があるようだ。「おろちループ」で有名な奥出雲のあたりが、よりディープな出雲蕎麦を楽しめるらしいのだが、さすがにこれは交通の便が悪すぎる。日帰り強行軍を組むには無理だ。よって、便利な松江市内で食べ歩くことに決めた。

渋谷から夜行バスで10時間。松江駅前に到着。別に夜行バスでなくても良かったのだが、最近自分を追い込む事をやっていないので、自らに試練を科してみたのだった。お陰で、朝6時過ぎには松江駅に到着してしまい、途方に暮れるわたくし。当然のことながら、こんな時間に営業をしている蕎麦屋など、ない。


かえれ竹島駅前には、竹島は我が領土、と訴える標識があった。

「竹島 かえれ島と海」

「返せ」ではなく「帰れ」という表現を使っているあたり、微妙すぎる。以前、島根県が「竹島の日」を制定したら大韓民国が猛反発した、とか政府が腰が引けた、とかいろいろある。だから、あまり強い口調で「返せ」と言えないのだろう。その結果、「帰れ」という、「帰ってこい」という意味にも、その逆の「アッチいけ」という意味にもとれる変な言葉を使っているのだった。

なんで北方四島についてはあれだけ返せ返せ言っているのに、竹島には遠慮がちなんだろうね、この国は。


松江駅ビルに入ってみる事前に、松江市内のそば店をプロットした地図は印刷してある。また、各店舗の営業時間も全部調べてある。今回は、営業開始が早い店から順に、満腹になるまでお店巡りをしようと画策している。

一番早いのが、朝9時から営業開始の「出雲庵」。まだ3時間あるので、それまで、出雲そばのお店の外観ウォッチングとしゃれこもう。聞くところによると、出雲そばの店はなかなかのディープさで、民家じゃないかコレ、というお店もあるという。事前学習しておけば、9時以降順次開店していく各店舗を探す際に迷わずに済むというものだ。

まずは松江駅内にある店を見てみることにする。


駅ビル構内、八雲路駅ビル内にある「八雲路」。出雲蕎麦、第一発見店。

さすがにこういう場所のお店なので、パスする予定。美味いか不味いかは、知らん。あまり事前情報収集しすぎると頭が混乱するから、余計な調査はしていない。そもそも、出雲蕎麦の旨い・不味いを評価する物差しすら持っていないので、口コミがあったとしても何とも判断のしようがないのだった。


割子は基本的に三段出雲そばといえば、割子。元々弁当箱として使われていたという、塗りものの器に蕎麦が入って、積み上がっている。通常、1人前を頼むと3段で出てくる。1枚単位で増やしたり減らしたりする事も可能。つゆをそばに少量かけて食べる、ぶっかけスタイル。

・・・と、書いてみたが、実は2007年にも、広島で出雲蕎麦のお店に2軒訪問していた。全く、記憶に残っていなくてびっくり。そうか、あれは出雲蕎麦の店だったんだ、っていうくらいだ。あまりに仕事が忙しくて、頭がぼーっとしていたので忘却してしまったらしい。すんません、今回改めて本場にて勉強させてください。


大橋駅ビルにはもう一軒出雲蕎麦の店があった。「奥出雲 大橋」だそうだ。松江の地において、「奥出雲」という名前はブランド力を持っているらしい。東京の人が、「武蔵野うどん」と聞くとちょっと唾液腺が活発になるのと一緒か?

あと、駅前の一畑百貨店内にも、「奥出雲そば処 一福」というお店があるようだ。こちらはこの時間に立ち入りは出来なかったので写真無し。


駅前ホテルは激戦区 こっちのホテルも対抗中

駅南口にはビジネスマン向けのホテルが並んでいるのだが、なかなかの激戦区だった。

シングル3898円、だって。何だこの安さは。しかも驚きなのは、朝夕食無料、温泉サウナ無料ということだ。朝はともかく、夕食まで含んでこの値段とはどうなっているんだ。

すぐ近くのホテルは、同じ条件で3,634円。カプセルホテル並だ。どんな食事が出てくるのか、逆に気になる。仮にカロリーメイトだけだったとしても、一泊3,634円は安い。薄利多売といっても薄利に程がある。凄いな、松江。

「※ただしイケメンに限る」とか小さく但し書きが書いてあるんじゃないか、と心配になる。


一色庵JRの高架橋の脇の道を歩いていたら、偶然蕎麦屋を発見した。手持ちの地図には載っていなかった店だ。

「殿町一色庵」、と書いてある。一色庵は、島根県庁前にある有名店だと認識していたが、こちらにも支店があるとは思わなかった。一色庵は松江で出雲そばを食べる際には定番のお店らしく、今回自分も訪れてみようと思っている。ただ、あまりに時間がタイトなのと、有名店だからこそ行きたくないねぇ、という天の邪鬼な気持ちのせいで、満腹になったら真っ先に行き先から外されそうな予感。


コミサイト高架橋の下にコミサイト、というアニメ・漫画ショップを発見。

「うーん、メイドカフェや耳かきなど、萌えビジネスは出尽くした感があるから、『わたしが一生懸命コネコネしましたっ!』という蕎麦屋があると、人気がでる・・・わけないな」

と、一人で勝手に思いつき、勝手にその考えを否定してみた。


お城方面に向かう松江城や県庁などがある方向にとりあえず歩いてみる。

駅前、しかも県庁所在地の駅前の道だけどあまり派手な感じではない。質実剛健な山陰でございます、といった風情。


そば清。後でお邪魔しようそんな道にある「そば清」。

うお、ちゃんと看板が出ているとはいえ、地味な店構えだ。お喋りに夢中になっていたら、気付かずに素通りするような外観。松江の蕎麦屋ってこういう作りなのか?これは要注意だな。

ちなみに、このお店の向かい側にある筈の「橘屋そば店伊勢宮店」は、閉店したのか、光学迷彩で姿をくらましているのか、発見できなかった。蕎麦店の外観がこんなのだと、なかなか遠目では発見できんぞ、こりゃ。

ここの開店時間は10時半ということなので、他店よりちょっと早い。よって、3軒目くらいに訪問しようと考えている。

ちなみに、本日の予定は次のとおり。

09:00八雲庵(09:00開店)→10:00後藤そば店(10:00開店)→10:30そば清(10:30開店)→11:00岡本(11:00開店)→11:30きがる(11:00開店)→[以降、胃袋の限界が来た時点でストップ]→12:30一色庵(11:00開店)→13:30ふなつ(11:00開店)→15時前、松江を離脱

お店の開店にあわせて食べ歩くため、松江市内を東西南北歩き回ることになる。周遊バスが走っているが、そんなものを待っている時間があったらとっとと歩いた方がよろしい。今日は相当歩く事になりそうだ。


松江の夜明け 宍道湖に出撃する漁船

新大橋を渡っているところで、漁船が一斉に十艘以上、ドドドと音を立てて宍道湖に向かって突っ走っていった。堰を切ったように疾走しているので、まるで競艇を見ているかのようだ。ヨーイドンで出漁、という決まり事でもあるのだろうか。なかなか壮観だったが、競艇のようにUターンしてこなかったのでただただ船を見送るだけだった。当たり前だが。


橘屋そば店裏道に入ったところに、「橘屋そば店東本町本店」があった。大きな看板が店頭に掲げられてはいるが、渋すぎる建物と立地で分かりにくい。なにしろ、入口よりもその脇の自販機の方が目立つ。でも、それがまた地元密着っぽくて良い感じ。


和風気替わり料理これは蕎麦店ではないが、面白かったので写真を撮ったもの。

「和風気替わり料理」の店、だそうで。

「気まぐれサラダ」なんてのは時々見かけるが、「気替わり」というのは初めて見た。本来、「気まぐれ」も「気替わり」も意味は殆ど一緒だが、「気替わり」という言葉を使うと、なんとも無責任な感じがする。「アレつくろうと思ったけど、やっぱやーめた。コレ作る」って途中で手のひら返ししそうで。和風料理の店なのに、「今日はオートミールをお召し上がりください」と言い出したりして。もしくは、一度テーブルに出された和食を、「ああすいません、やっぱりそれダメ。返して」と没収して別の料理を持ってくるとか。

ネーミング一つでいろいろ想像力をかき立てられる。良き名前哉。


上田そば店遊覧船乗り場近くにあるという、互合庵は発見できなかった。再開発がされている地区のようなので、移転したのかもしれない。もしくは、見落としただけかもしれない。

その次に見つけたのが、「上田そば店」。これも裏道にある。

ほら、見よこの外観!間口は狭いし、東京流の気取った感じの店構えでもない。民家に埋没しそうな見てくれ。これは観光客だと気がつかないわ。ただでさえ、この路に観光客がどれだけ足を踏み入れることか。

さすがに、こういう店に自分のような外部の人間が「ちわーっす」と暖簾をくぐるのは緊張するな。今回はこのお店を訪問する予定はないが、こういう店が他にもいろいろあると思うと、他人事ではない。


十一軒上田そばの近くにあった、十一軒。ここは一階がリニューアルされ、ちょっと目立つ上に「出雲そば」ののぼりが掲げられており、ちょっとだけ目立つ。ただし、ちょっとだけ、だ。二階は完全に民家だし、まあ相変わらず出雲そばの店はディープだ。素晴らしい。


すし割烹井津茂井津茂 そば林、というお店を探していたが、見つからなかった。その代わり、その店があったと思われる場所には「すし割烹 井津茂」という新しい店が建っていた。もともと出雲そば・郷土料理の店で、そば割烹を出していたということだったので、リニューアルしたのだろう。しかし、「すし割烹」を一応お店の看板にしているので、若干方針転換があった模様。詳細は不明。しかし、ひょっとしたらすし(割烹)屋で蕎麦も食べられます、という変わったお店になっているのだろう。それはそれで面白いな。


松江しんじ湖温泉駅ガラス張りの駅、一畑電鉄の「松江しんじ湖温泉」駅に到着。

ここでコインロッカーを見つけたので、荷物を一旦預ける。なにしろ、キャリーバッグをゴロゴロ引きずりながらの行脚だ、邪魔ったらありゃしない。


無料の足湯がある 足湯に浸かる

松江しんじ湖温泉、という存在自体あまり知らなかった。こんなところに温泉なんて湧くんかいな、と思ったが、確かに宍道湖の湖畔には大型ホテルが建ち並ぶ。それなりの歴史と湯量がある温泉なのだろう。

にわかには信じられなかったのだが、調べてみたら地下1,250mまでボーリングして湧いたお湯、ということが分かった。なるほど。松江という城下町のそばに温泉旅館が並んでいるというのは、観光地としては非常にメリットがあるだろう。その点、おかでんの実家がある広島なんて、県全体を見渡してもこれ!という温泉がないからなあ・・・。ちょっとうらやましい。

駅のすぐ脇に足湯があった。時間が余っているので、折角なので足湯に浸かってみることにした。

20分ほど足湯に浸かってみたが、おおおお、案外ええやんけ、これ。

足湯スキーな人が、「足湯は素晴らしい」とか「家にもフットバス用のバケツを買った」などと目をキラキラさせて語っているが、なるほどその意味は分かる。特に本日のおかでん、既に結構歩き回っている上に、昨晩は高速バスの椅子でまんじりと過ごしている。足が一気にスッキリしたのがよく分かった。いいもんですね、これ。気楽に使えるのが良い。

ただ、できれば早朝からやっている共同浴場があるともっと嬉しいンですが、ダメですかね?理想は、朝風呂。


幼稚園児のスクールバス松江市内には、「レイクライン」と「100円ウォーカー」というタウンバスが走っている。前方からなにやら風変わりなバスが走ってきたので、ああきっとこれだな、と写真撮影してみたら、幼稚園児を護送するスクールバスだった。機関車をイメージした車体。

あぶねぇ、最近は変態が多いので、うかつに幼稚園児にカメラなんて向けたら通報されるぞ。君子危うきに近寄らず。写真なんて撮ったらいかんで。

<つづく>

前のページ 戻る 次のページ

− 菜 單 −

アワレみ隊活動記録 胃袋至上主義宣言[連載] 胃袋至上主義宣言[単発] 思考回路のリボ払い 蕎麦喰い人種行動観察 美貌の盛り へべれけ紀行 食い倒れ帳 

− 連載結束 −

ダイエット!?日記 土下座バイキング