ホーム > 蕎麦喰い人種行動観察 > 常陸秋そばフェスティバル2010-1

5年ぶりの金砂郷。今回は「常陸秋そばフェスティバル2010」訪問の話を書く。
「平成の大合併」とやらで、「信長の野望」で領土を拡大するがごとく市町村が統廃合されていった。この金砂郷に以前訪れた2004年、2005年当時は「久慈郡金砂郷町」という地名だったが、今では「常陸太田市金砂郷町」になっている。なんだか嫁入りして名字が変わってしまった我が娘を見る気分だ。自分に娘なんていやしないけど。というかお前一生独身で過ごす気かね、と我が半生を遠い目で振り返る。
待て待て、どんどん陰湿な方向に話が行く。「フェスティバル」なんだから楽しくいかないと。
で、合併して「常陸太田市」となった金砂郷だが、その頃を前後して「常陸秋そば」というブランドを積極的に押し出すようになった。既にれっきとしたブランドが構築されていた金砂郷蕎麦の関係者からしたら、なんだよその名前は・・・と不愉快に思っただろうが、結果的に今に至る。
そんな「合併した側のパワーバランス」にものを言わせ、合併直後の秋は新蕎麦のイベントをやったものの、場所を金砂郷から別のところに移すわ、出店している蕎麦店がどう見ても素人に毛が生えたような同好会だらけだわ、で全然魅力が無かった。そんなわけでおかでんはすっかりこの地から遠ざかっていたのだった。
さすがに失策を認めたのか、今まで通り金砂郷の交流センターふじで開催するように改善され、昔と同じようなイベントに立て直しが図られていった。ひとまずはお慶び申し上げます。
ただおかでんの蕎麦へのモチベーションが下がっており、すっかり2008年〜2009年くらいは蕎麦を食べていなかった。「もし自分に子供が産まれたら産湯は蕎麦湯でキメるぜ」くらいに思っていたのだが、いい加減結婚適齢期を過ぎてしまいそれは妄想であるということがうすうす判明し・・・あれれ、いかんな、またネガティブトークに。
冗談はさておき、「金砂郷に行けば美味い蕎麦が当たり前のように食べられる」。この判断に尽きた。どれも平均点以上に美味いんだもの。むしろ面白くないのだった。しかも、この手のイベントにこれまで参加してみて思ったのだが、どこも似たような蕎麦を作ってくる。飽きるっちゃあ飽きるんだわな。出店ブースは蕎麦同好会が多いため、どうしても江戸前の中細二八蕎麦が増えてしまう。もっと、梅庵のような幅広麺にするとか、皮ごとすり潰してやったぜーヒャッハーとばかりに真っ黒な蕎麦とか、そういう幅広さが欲しいところだ。
・・・とかなんとか出不精のいいわけをして、ここ数年ご無沙汰。でも今年は久々に行ってみますよ、常陸秋そばフェスティバル2010。
カーナビが壊れた車での移動なので、家を出る前にGoogleマップを数分間にらみつけて道路を暗記するところから始まる。新しいカーナビが欲しいところだが、もう8年になる車ゆえに追加投資する気になれず。記憶力がすべてだ。
幸い、アドバルーンがたかだかと上がっていたので助かったが、危なく果てしなく茨城の奥地へと進んでしまうところだった。
「常陸秋そばフェスティバル」・・・と書いてあるのだが、こちら側からみると表裏逆なため、「常陸焼きそばフェスティバル」に見えてしまう。横手や富士宮と対抗する気か、常陸太田市。

素通りしてしまったため、えらく遠くの臨時駐車場に車を駐める羽目になった。送迎バスが運行しているらしいが、今日食べる蕎麦の数十分の一でもカロリーを消費しておきたいので、会場までてくてく歩く。
黄色い入場ゲート。昔は「金砂郷まつり」と記されていたのに、しっかり「常陸秋そばフェスティバル」に名前が書き換わっていた。それにしても、前回から5年ぶりだが、相変わらず同じゲートを使っているんだな。
ただ違う景色なのは、ゲートの前に屋台が並んでいたこと。蕎麦を食べに来た人たちに魔の道への誘い。売られているのが大判焼き、たこやき、広島風お好み焼き、肉巻きおにぎり、クレープ、もんじゃ・・・粉モノ中心。ここで粉モノの誘惑に負けて蕎麦食べられませんでしたー、という人も中にはいるだろう。おかでんはその点蕎麦のプロなので(今勝手に宣言)、この屋台の前を華麗にスルー。自分は鉄の意志を持っているぞ、というのを内外にピーアールするために再度スルー。やーい、二度スルーしてやったぜ。

刈り取った蕎麦畑の遙か先に臨時駐車場。
いや、蕎麦畑かどうかはわからないけど、田んぼだと風情ないし。蕎麦畑、ということにしとおく。そんな刈り取った後の空き地が駐車場になっていた。
さすがにあの距離から歩いてくるのは難儀だ。送迎バスは欲しい。でも、昔は送迎バスなんてあったっけなあ?記憶にない。会場すぐ脇に車を駐めた印象があるのだが。

ゲートくぐってすぐのところにある本部でパンフレットなどをもらう。
地図を見ると、会場となりの金砂郷小学校校庭は「出店者関係駐車場」になっていた。ああそうだ、昔はこの学校に駐めたんだっけ。道理で延々遠くの駐車場から歩いた記憶がないわけだ。でも、今やここは関係者限定。なんだなんだ、出店ブースの人たち、大名行列絵のように車を連ねてやってくるのがトレンドになったのか?
その謎は関係者以外分かりようがないので放置しておいて、ええと、何やら立派なカラーの冊子までもらっちゃったよ。「SOBA DO」だって。試される大地、だな。イヤ違う、それは「Air Do」だ。
中を見ると、常陸太田市にある蕎麦屋紹介冊子だった。立派すぎて笑った。42店舗ものお店がすべてカラーで紹介されていて、そのいずれもがそこそこ美味そうな蕎麦の写真入りときたもんだ。おかでんみたいな「スタンプラリャー(スタンプラリーをする人、の意)」からするとこういうのは目に毒だ。でも絶対やらんよ、42店舗も回ってられっか。
立派な冊子は素晴らしいんだけど、こういうのがあると共倒れになりそうな。もっと、「常陸太田市で蕎麦といえばこれ!」と絞った方が観光客としては有り難いんだけどな。もっとも、そんなえこひいきは常陸太田市役所としてはできないけど。
ちなみに常陸太田市にある有名蕎麦店といえば、「慈久庵」というお店。これはdancyuなどを始め各グルメ誌によく出てくる。いずれ訪れてみたいと思うけど、今日ここでしこたま常陸秋そばを食べちゃったので、行くとすれば来年かなぁ。

「あれ?レイアウトが違う・・・」
おかでんが知っている2005年までのレイアウトだと、蕎麦ブースが会場敷地内をLの字で取り囲み、真ん中には巨大テントが出来ていた。人々は巨大テント内の長机で食事をすることになる。
それが今年は、他のそばまつりと同じスタイル、すなわちお店ごとに喫食スペースが用意されているスタイルになっているのだった。こっちの方が会場設営と撤去が面倒だろうが、「大食堂スタイル」じゃ駄目だったのだろう。確かに、場所取りをしたまんまグループみんなが蕎麦の調達で席は不在、なんてのが散見され、空席あれど食べる席なし、なんて事象があった。あと、蕎麦湯のやかんを席に持ち出したまま返さないとか。今回のスタイルの方が結果的に都合が良さそうだ。
朝10時からの開店だが、過去この手のイベントに参加していて「フライングスタートは当然のようにある」ことは判っている。今回は9時半前に到着してみたら、案の定作戦大成功。
日光そばまつりはフライング前提で多くの客が早い時間から訪れていたが、この金砂郷では比較的順当な人の集まりだった。すなわち、11時過ぎから混み始めて、12時がピーク。
[1軒目 達磨(広島県)]

まず最初に訪れたのは「達磨」。
日光そばまつりでは早朝から整理券を狙わないと食べられない超人気店だが、ここ金砂郷では並びさえすれば食べることができる。とはいっても、9時半、つまり「公式なイベント開始時間」から30分前の時点で行列は60名近くだったが。蕎麦店で数十名の行列なんて、他を探してもここしかないのではないか。
全国を行脚するのに使われる、消防車のような車「達磨号」が店の前に横付けになっている。まるで店の存在を隠蔽するかのようだが、達磨号そのものが目立つのでむしろ目立っている。なんでこんなところに車を駐めたのか、不明。

既にブース内では食事をしている人がいることから、もっと早い時間から営業を開始していたようだ。それでもこの行列。さすがだ。
「滅多に食べられないお店」ではあるが、なんだかんだ言っておかでんは昨年も食べているし、累計では4度ほど食べたことがある。実はそんなに珍しいわけでもない。とはいえ、非常に美味いことには間違いがないので、今回は最初にここを食べて、他店との比較の際のベンチマークにしようと思う。
いやね、美味いってのがわかりきっている蕎麦を食べるってのは案外つまらないものですよ実は。この店当たりかな地雷かな、と逡巡しながらお店を選んで、もりにするかかけにするかも悩んだ末に食べる蕎麦の方が、楽しい。その点この店の場合はもりそばオンリーだもんなー。

高橋名人は今日も健在。水回しと捏ねはお弟子さんに任せ、伸ばしと切りを担当していた。
高橋名人の前には、行列とは別のギャラリーが群れをなしていた。それだけ「一見の価値あり」な手さばき。確かに、この後他のブースの蕎麦打ちを見て回ったが、「手抜きしてるんじゃないか」という印象を受けてしまうくらい動作が鈍かった。いや、動作が鈍いんじゃない、高橋名人が唯一やたらと早いのだった。さすが「愛好会/同好会」クラスの人とは年期の入り方が違う。違いすぎる。

厨房、麺打ち、お会計あわせると総勢11名の達磨勢だったが、全員がきびきびと動くものだから行列はみるみるさばけていく。これはありがたい。行列の消化スピードも他店と比べものにならない程だった。
このお店の場合、どこがボトルネックになっているのか観察していたら、「麺をざるにもりつける」行程だった。他店は麺茹でで行程がストップしてしまい行列が伸びてしまうのだが、達磨に関しては麺はどんどん茹で上がる。早茹での麺らしい。
もりそば、700円。これは昔から一貫して変わらず。かけそばや天ぷらなどは一切なし。潔い。このシンプルメニューがオペレーションの迅速化を実現しているとも言える。
ただそのかわり、お会計の机にはお土産の乾麺やつゆ、蕎麦打ち指南DVDやら書籍がたくさん。年々増えていってる。
広島にある「達磨」への行き方を記した案内図も置いてあったが、茨城のそばまつりに来ている人でわざわざ広島まで行く人が果たしてどれだけいるだろうか?

もりそば 700円。
相変わらずいい色している。最近のおかでんとしては、粗挽きの蕎麦でメッシュを二段階に使い分けたような蕎麦が好きなのだが、いざこうやってつるりとした蕎麦を目の当たりにすると「これはこれで良いものだ」と感じ入ってしまう。
手繰ってみると、口に入れた瞬間に蕎麦の甘みがカーンと脳天に届き、ワンテンポ遅れて蕎麦の香りがブオーンと送風機の風力のごとく鼻へ、喉の奥へと広がる。ああ、こりゃ美味いわ。圧倒的だ。
これ、名人の蕎麦打ち技術云々よりも、蕎麦粉が明らかにドーピングされてる。多分日本有数の蕎麦職人である高橋氏のこと、独自の良い蕎麦粉入手ルートを持っているのだろう。蕎麦粉が普通のものと違う、としかこの美味さを形容できない。
「ほら見たことか、食べるまでもなく美味いんだよ」
思わず愚痴がこぼれる。予想通り、いや予想以上に美味いんだけど、予定調和すぎる美味さなのだった。死角がなさ過ぎるので、むしろつまらないくらいで。贅沢な不満だ。
つゆは2005年にこの地で食べた時と比べて明らかに傾向が変わってきている。これは昨年、豊平そばまつりで食べた時も感じたが、醤油が立った辛めのつゆになっている。昔はもっと「良い意味で特徴のない、丸みのある味」であり、個人的にはそちらの方が好きだったのだが。
この後何店舗も食べ歩いたが、さすがに達磨を超える蕎麦はなかった。圧倒的すぎる味の違いだった。

蕎麦湯を鍋に入れてセルフサービスをやっているのは相変わらず。
この蕎麦湯が美味いんだわ。打ち粉をわざと多く入れているのだろう、普通の蕎麦湯と比べて明らかに濃厚でどろりとしている。
一軒目でこんな蕎麦湯を頂いてしまったので、これ以降訪れたお店の蕎麦湯(殆ど白湯)が面白みのないことったら。
白湯のような蕎麦湯ファンもいるわけで、むしろこういう「作為的な蕎麦湯」はインチキくせぇ、という意見もある。そういう意見を敢えて言える人はかっこいい、とさえ思うが、でもやっぱり濃厚蕎麦湯が好きです、こればっかりはどうにもならん。
[2軒目:常陸喜蕎の会(笠間市)]

大行列の達磨のすぐ隣が、「常陸喜蕎の会」。これは今までのそばまつりで食べたことがないので、是非食べていくことにする。
今回このフェスティバルに参加するにあたり、過去にたべたことがないブースを優先させようと考えていた。日光そばまつり、金砂郷そばまつり、信州松本そばまつりと食べ歩いてくると、どうしても重複があるし過去どこで食べたか記憶が曖昧になる。だから、事前に今回の出店ブースはこれでー、ええと、過去食べたことがあるのはこれだから優先順位低くしてー、と仕分けしておいたのだった。
すると、過去に食べたことがないお店は4軒。あとこれに「過去食べたことがあるけど、美味かったです」というお店(達磨など)を足したものが今回の訪問候補となる。全部で8店舗に膨らんでしまっており、全部食べられるとは思ってはいないが、まあとりあえず。おろしそばともりそばの2つのメニューでこのお店は勝負。
「昨日粉を挽きました 桜川産の新鮮な常陸秋そばです」という紙が貼ってある。常陸秋そば、と一言で言ってもいろいろな地域が含まれるのだな。
「笠間稲荷の弁天おろしそば 500円」というネーミングが気になったが、やはりもりそばでないと味の違いがわからん。おろしも魅力だなーと思いつつ、ここは男らしくもりそばを。いや、男らしいんだか女々しいんだかわからんけども。

常陸秋そば100%使用、と銘打ったもり蕎麦。
なにやら無駄に高さがある食器なのが面白い。実は二段重になっていて、もう一段下にも蕎麦が・・・なんてサプライズがありそうだ。実際はなかったけど。
常陸秋そば100%、という表現を見て、「あー、蕎麦も当然そういうのがあるよなー」と思った。よく言われるのが、「魚沼産コシヒカリ」が沢山流通しているが、その流通総量はどう考えても魚沼での生産量を上回っているという事実。完全な産地偽装という悪質なものは無いと仮定すると、「魚沼産をちょっとブレンドした別の米」である可能性が高いわけだ。蕎麦でもそういうのが沢山ありそうだ。蕎麦って地味な穀物だが、美味い蕎麦粉は既にプレミアものになっており、やっすい蕎麦粉と比べて何倍もの価格差になっている。そりゃあ混ぜモノしたくなる輩もいるだろう。

このフェスティバルに出店しているどのお店・同好会においても、明らかに蕎麦打ちがへたくそというところは存在しなかった。みな一様に綺麗に、そして長く繋がった蕎麦を提供している。僕が子供の頃なんて、「手打ち蕎麦=乱切りで、太さはバラバラ」みたいな風潮があったものだが、今や手打ちであっても機械打ち同様の精巧さが当然になっているのだな。
蕎麦の味はとても美味しかった。あれっ、とむしろ意外に思ってしまったくらい、美味いんでやんの。達磨の隣、というのは立地条件として良かったような悪かったような、という場所だが、沢山あるお店のうちの一店、として埋没させるには惜しい美味さだったことは特筆しとく。

蕎麦湯はIHヒーターの上に乗ったやかんからどうぞ、と。
そうかー、IHはこういうとき便利だな−。
[3軒目:会津磐梯そば組合]

そばまつりになると、大抵会津方面から蕎麦の出店がある。あまり会津といっても蕎麦のイメージが薄いが、ここまで執拗に各イベントに出撃しているところをみると、実は蕎麦の名産地として名高いようだ。
もちろん、「山都(やまと)」あたりの水そばなんぞが有名なのは知っているが、どうしても東北地方の蕎麦といえば盛岡のわんこそばであり、山形のそば街道となってしまう。福島県は一歩出遅れ状態。
むしろ、わんこそばであれだけ有名な盛岡がこういうイベントに出てこないのが不思議だ。多分、「腹一杯振る舞う蕎麦」と、こういうイベントで供される、いわゆる「趣味蕎麦」とでは世界が違うのだろう。落語家よろしくズルズルッと音を立てて手繰るのがよろしい、なんて講釈垂れるのがふさわしい蕎麦揃いのこのイベントにゃ、わんこそばは似合わない。
ただ、今こうやって文章を書いていて、じゃあ盛岡の蕎麦って味はワンランク落ちるものなのかどうなのか?というのが気になってきた。いずれ機会を見て盛岡蕎麦事情の探検をしてみなくちゃいけないな。でも、多分うっかりわんこそばチャレンジをやって、「うっぷす、もう蕎麦は見たくない」とか言いながらすごすご退却するオチになりそうだが。

現在10時10分。客足はまだまだこれから、というところで食べたい放題だ。待たずに食べられる今この瞬間を最大限活用しないと。休み無く3軒目の蕎麦。
まだ職人さんたちも暇を持てあましていて、大きな声を出して客引きをしていた。これが昼時になると大行列を前にてんてこ舞いになっていたが。
だいたい各ブースともに10名前後の人を配置している。10名いれば蕎麦打ちから茹で、盛りつけ、お会計、片付けなど一通りこなせるので十分。昨年(2009年)の日光そばまつりで、行列が長いと思ったら人手不足でございましたというお店が数軒見かけられたが、そういうのがこのイベントではなかった。気持ち良く客がさばけていくので、来場者としては嬉しい。
テントの中に厨房をこしらえているので、釜から大量の湯気が吹き上がり、テントを濡らす。それが水滴となってぽたぽたしたたってくるので、要注意。うっかりすると「ひゃっ」と思わず声を出してしまう。
そんな湿気まみれなところでよく蕎麦が打てるものよ、と感心したが、ご安心を。蕎麦打ちスペースにはちゃんと透明のビニールカーテンが据え付けられているのだった。これはどこのブースも一緒。以前は「達磨」が独自アイディアとしてカーテンをつけていたが、今では主催者側がちゃんと用意するようになったのだな。インフルエンザとかそういうのを気にして、だろうか?

かけそばともりそば、共に500円なり。
福島県の新品種「会津のかおり」を有機栽培で作っているんだと。会津のかおりは昨年の日光そばまつりでも食べたような気がする。
雑穀の蕎麦であっても有機栽培で丁寧に丁寧に育てられている。ご時世だな。いずれ、あわやヒエといったインコの餌になるような雑穀ももてはやされる時期がくるかもしれない。
提供された器はプラ容器。つゆだけ頂こうとするのには難ありな容器で、はたと困る。これで蕎麦湯を頂くのは無理だな。日光そばまつりが「リサイクル可能な食器でないと参加不可」としているので、このような食器を使っている同好会は参加できるそばまつりが限られる。でも、同好会側からしたら、わざわざイベント用に100セットくらい食器を揃えるなんてそんな金がかかることはしたくない筈。今後この手の同好会はどうするのか、動向が気になる。
[4軒目:金砂郷蕎麦愛好会(常陸太田市)]

地元金砂郷はこのイベントに何店舗も出店してくる。さすが日本を代表するそば処だ。なにせ、小学校の授業で蕎麦打ちを習うようなところで、この日も交流センターではちびっこ蕎麦打ち大会が行われていた。こんな「英才教育しまくり」な地元故に、出店ブースが増えるのは当然のことだ。
とはいっても、どこのブースも大抵は40を過ぎたおっちゃん達がひしめいており、小学生が蕎麦を打ってる!すげえ!みたいなところはどこにもなかった。年功序列だろうか。

このお店はもりそば500円のみで勝負。どうしても色気出して「折角だからかけそばもやろうか」となりがちだが、ここは潔くもりそば。
店頭には「常陸太田市産『常陸秋そば』を使用しています」の張り紙。ややこしいな、常陸秋そばって結構範囲が広いんだな。ひょっとして茨城県全域でとれた蕎麦のことを指すんじゃあるまいな。
なんか、金砂郷の蕎麦ブランドにあやかりまくっている気がするけど、肝心の金砂郷ブランドはどこへ行った?このイベント中、「金砂郷で作った蕎麦でござい」と謳っているところは一軒も無かった。お値段高すぎでこういう1杯500円の蕎麦には馴染まないのか、それとも金砂郷という名称が蕎麦の世界から消えてしまったのか。
ここの蕎麦は星が散っている蕎麦で見た目麗しい。こういう蕎麦、好きです。
でもどの店でも言えるんだが、つゆがいまいち過ぎるんだよなぁ。一度に大量に作らないといけないので、味のクオリティが下がってしまうのだろうか?つゆが美味い!すごい!というのはこの食べ歩き中殆ど無かった。蕎麦は美味いんだけどねえ、つゆが・・・というアンバランスな店多し。
(つづく)